Miniature Garden

お気に入りをつめこんだはこにわ

Endless SHOCKという神話

去年、何度か観劇しながらも最後まで思い続けていたのが
ーEndless SHOCKはむずかしいー
でした。
ストーリーだけを追うのであれば(2013は)初見でも割とするする入ってきたし、数回みればほぼ完璧にわかるのだけど、「理解する」ことがとてもむつかしい。

主人公であるコウイチは絶対的な存在感を纏ってステージの真ん中に立つけど、ストーリーはコウイチを真ん中に残したまま周りでどんどん進んでいくイメージ。感情移入がすごくむずかしいのです。全体を通して、変化するのはコウイチよりも、ライバルやリカと周りのカンパニーであって、コウイチは自分に降りかかった「出来事」を受け止め、みんなの背中を押し、そして未来を託していく。それはとてもスマートで美しすぎて、なんだかとても遠い。

なぜコウイチは怒らないのか、なぜライバルを責めないのか、なぜ、なぜ、と思ったこともあったけれど、これを聖書になぞらえるとある時すっと納得ができたんですよね。裏切り、死、復活、赦し…その先にある「永遠」。これは、ステージを舞台にした神話なのだな、と。去年(今年も)は女性オーナーだったこともあって、最後のシーンは聖母マリアに見守られて天に向かうようだなぁと思ったりもしました。リカをマグダラのマリアに見たてるのは失礼なのかな。でも女性2人(とカンパニー)に見送られる姿をみてそんなことを思いました。

また今年一年、観ているうちに何かを感じて自分の見方も変わるのかもしれない。なんといっても長年続くこの舞台をたった一年垣間見ただけのひよっこなのだから。

余談だけれど、西洋文化的な要素を組み込んだのはどこかで「いつかは海をわたって」的な考えがあったのだろうか。ジャパネスクや夢幻は「逆輸入」的香りがしないこともないし、なんてったってまず「ジャパネスク(日本風)」だしね。